例:映像のレビューコピー(デイリー)を作成する

何日もかかる多くのビデオ制作では、プロデューサー、クライアント、エグゼクティブなどに配信するために、その日の映像のコピーを作成します。これらのクリップは「デイリー」または「ラッシュ」と呼ばれます。撮影したものをすばやく編集して、チェックできる状態であることをこれらの人たちに知らせることが重視されます。

この例では、「Compressor」を使用して、さまざまな配布方法に合わせてこのようなレビューコピーを作成する方法を示します。ここで示す概念は、その他の多くのワークフローの書き出し先の作成に適用することができます。

参考: 下の作業手順では、HD ソース映像で作業することを前提としています。

プライベートサーバでホストされるデイリーを作成する

内部サーバに保存されるファイルや Web サーバにアップロードされるファイルを作成する場合は、以下の手順に従ってください。

  1. 「設定」パネルで、「追加」ポップアップメニュー から「新規書き出し先」を選択します。

  2. 表示されるダイアログで、以下の操作を行います:

    1. 「ビデオ共有サービス」グループを展開し、「大 - 540p」を選択します。

      参考: または、ビデオをホストするサーバの帯域幅に基づいて、このグループのほかの設定のいずれかを選択することもできます。

    2. 「ジョブアクション」ポップアップメニューから「メールを送信」を選択します。

    3. 「名前」フィールドに、「Dailies output」と入力します。

    4. 「説明」フィールドに、「540p output for daily review」と入力します。

    5. 「OK」をクリックします。

    カスタム書き出し先が「設定」パネルに追加されます。

  3. 「場所」をクリックして「場所」パネルを開き、追加ボタン をクリックします。

  4. 表示されるウインドウで、ビデオファイルを保存したいフォルダを選択して、「選択」をクリックします。

    ヒント: ファイルが無駄にコピーまたは複製されるのを回避するために、ファイルを受け取る人がトランスコード完了後すぐにビデオにアクセスできるサーバ上のフォルダを選択してください。

    新しい場所が「場所」パネルの「カスタム」セクションに表示されます。

    参考: Web サーバ上のフォルダにアップロードする場合は、Web ブラウザでビデオにアクセスできるようにするために追加手順(スクリプトの設定や HTML ページの構築など)が必要になる場合があります。不明な点がある場合は、Web マスターに問い合わせてください。

  5. デイリーを作成する準備ができたら、「ファイル」>「ファイルを追加」と選択します(または Command + I キーを押します)。

  6. 「読み込む」ウインドウで、その日の映像が含まれているフォルダに移動し、トランスコードしたいファイルを選択して「追加」をクリックします。

    各クリップは、個別のジョブとしてバッチ領域に追加されます。

    ヒント: ファイルを Finder からバッチ領域内にドラッグすることもできます。

  7. バッチ領域のすべてのジョブを選択し、「設定」パネルから、「Dailies Output」書き出し先をジョブのいずれかにドラッグします。

    ジョブのいずれか 1 つにドラッグすることで、バッチ領域の選択されているすべてのジョブにこの書き出し先が適用されます。

  8. 「場所」パネルに切り替えて、手順 4 で作成したカスタムの場所を、バッチ領域の選択されているジョブのいずれかにドラッグします。

    この場所が、選択したすべてのジョブに追加されます。

  9. バッチ領域で最初のジョブを選択し、「ジョブ」インスペクタの「操作」領域のメールの「宛先」、「件名」、および「メッセージ」フィールドに入力します。

    「インスペクタ」パネルが表示されていない場合は、Compressor ウインドウの右上隅にある「インスペクタ」ボタン をクリックします。「宛先」フィールドには、各アドレスをカンマで区切れば複数のメールアドレスを入力できます。また、「メッセージ」フィールドには、必ず、保存したファイルの場所へのリンクを入力してください。

  10. 以降の各ジョブを選択し、「ジョブ」インスペクタで各ジョブの「操作」フィールドの入力が完了するまで手順 9 を繰り返します。

  11. 「バッチを開始」をクリックします(または Command + B キーを押します)。

    ヒント: 多数のファイルをトランスコードして 1 つの場所に保存する場合は、最後のファイルが完了したときにだけメールを送信することを考慮してください。そうすれば、ファイルが完了するたびにメールを受信することがなくなります。メールが送信されないようにするには、バッチ領域の最後のジョブを除くすべてのジョブで、「ジョブアクション」ポップアップメニューを「何もしない」に設定します。

他社の Web サイトでホストされるデイリーを作成する

プロダクションによっては、YouTube や Vimeo などのよく知られているビデオ共有サービスを利用してデイリーをホストすることを好む場合があります。

「Compressor」の内蔵の書き出し先は、このようなサイトのいくつかに自動的にアップロードするように設計されています。ただし、その他のサイトの場合はカスタムの書き出し先を作成する必要があります。この例では、Youku という中国で人気のあるビデオ共有サービスを使用します。ほかのビデオ共有サービスの場合も手順はほぼ同じです。

  1. 「設定」パネルで、「追加」ポップアップメニュー から「新規書き出し先」を選択します。

  2. 表示されるダイアログで、以下の操作を行います:

    1. 「ビデオ共有サービス」グループを展開して「HD 720p」を選択します。

    2. 「ジョブアクション」ポップアップメニューから「Youku に公開」を選択します。

    3. 「名前」フィールドに、「Youku に公開」と入力します。

    4. 「説明」フィールドに、「720p dailies for Youku」と入力します。

    5. 「OK」をクリックします。

    カスタム書き出し先が「設定」パネルに追加されます。

  3. デイリーを作成する準備ができたら、「ファイル」>「ファイルを追加」と選択します(または Command + I キーを押します)。

  4. 「読み込む」ウインドウで、その日の映像が含まれているフォルダに移動し、トランスコードしたいファイルを選択して「追加」をクリックします。

    各クリップは、個別のジョブとしてバッチ領域に追加されます。

    ヒント: ファイルを Finder からバッチ領域内にドラッグすることもできます。

  5. バッチ領域のすべてのジョブを選択し、「設定」パネルから、「Youku に公開」書き出し先をジョブのいずれかにドラッグします。

    ジョブのいずれか 1 つにドラッグすることで、バッチ領域の選択されているすべてのジョブにこの書き出し先が適用されます。

    「Compressor」はトランスコードされたファイルを自動的にビデオ共有 Web サイト(この例では Youku)にアップロードするため、各ジョブの出力行に指定する保存場所は重要ではありません。このため、「場所」はデフォルト(「ソース」)のままにしておくことができ、ジョブの完了後にコンピュータ上のトランスコードされたファイルを手動で削除することができます。

  6. バッチ領域の最初のジョブを選択し、「ジョブ」インスペクタの「操作」領域で、ビデオ共有サービスのアカウント情報と、ビデオクリップに関するその他の詳細(タイトル、説明、アップロードしたファイルをプライベートまたは公開のどちらとして保存するかなど)を入力します。

  7. 以降の各ジョブを選択し、「ジョブ」インスペクタで各ジョブの「操作」フィールドの入力が完了するまで手順 6 を繰り返します。

  8. 「バッチを開始」をクリックして(または Command + B キーを押して)、トランスコードを開始します。

    参考: このワークフローでは、ファイルが入手可能であることを受け取った人に知らせるメールを自動的に送信できないため、ジョブの完了後に手動で送信する必要があります。